ガンだと宣告されて、その病気を受容するまでは、多く時間が存在する。その消化の仕方は人それぞれであるが、最も有名なのは、キューブラー・ロスの死の受容過程である(死ぬ瞬間より)。
第一段階:否認 eX.病気の自分を認めない。
第二段階:怒り ex.自分や周囲に怒りをぶつける。なんで私なんだという怒り
第三段階:取引 ex.〇〇をしますから、治して下さい。
第四段階:抑鬱 ex.為すすべもなく諦めている状態
第五段階:受容 ex.病気の自分を受け入れる
段階を、多かれ少なかれ辿るとされている。これは、ガンの人の場合は顕著であるが、難病、特にALSの場合はまた異なる。
第一段階:否認 eX.病気の自分を認めない。
第二段階:怒り・隔離 ex.自分や周囲に怒りをぶつける。なんで私なんだという怒り
が中心であり、第二段階では怒りをぶつける人と、他人事のような状態となり、感情が動かなくなる人も見られている。
続いての、第三段階:取引 はあまり顕著に認められず、それを通り越して
第四段階:抑鬱 になる人が多い。天国に行きたいとか、苦しまずに死にたい。人に迷惑をかけたくない。と言う段階を辿り、病気を受け入れて行く。
これを、ALSの家族とあわせてみると、さらに興味深い。
家族の場合も、
第一段階:否認 eX.病気の自分を認めない。
第二段階:怒り ex.自分や周囲に怒りをぶつける。なんで私なんだという怒り
第三段階:取引 ex.〇〇をしますから、治して下さい。
を経る。家族で最も多いのは、第三段階の取引で、「私が替わりになればよかった」や「どうして私ではないの?」と神に訴えるケースがとても多い。
そして、
第四段階:抑鬱 ex.為すすべもなく諦めている状態
が、殆ど見られない。家族は諦めない。本人が諦めても、家族は諦めない。ガンと違って、人工呼吸器を装着することで生きることができるALS患者の場合、家族は諦めることなくそこに希望を見出す。
そしてその家族の希望こそが、ALS患者の心を溶かし、病気の受容へと向かわせる場合もあるのだ。
前者のキュプラ-ロスは、死の五段階過程と言われているが、最近では第六段階だと捉える人も多い。
第六段階とは・・・「希望」だ。「受容」の先に「希望」がある。そしてそれは、事故の中から作られるものではなく、家族やその他の人々による他者とのコミュニケーションによって構築される段階であると、私は考えている。